トモロ岬1〜白田隧道〜
トモロ岬
No.002
-tomoromisaki-
トモロ岬-その1-
白田隧道
静岡県 稲取 
2007/01/13 訪
2007/04/13 up
今だに地震の爪あとが残る
伊豆稲取近くのトモロ岬に「はさみ石」という景勝地がある。
昭和53年1月の伊豆大島近海地震の発生で、はさみ石までの道は崩壊し、現在では到達する道は絶たれている。
その倒壊した道は現在でももちろん通行は不可能。ただし常用通行できないだけで、押し通ればそのほかでもない。
その通行不能区間には三つの隧道の存在が確認されているが・・・。

とかなんとかのたまいましたが、事前調査せずに偶然なんとなしに発見しました。
だから現地に行ったときにはなんも情報なしです。
 

脇道の警戒標識

国道135号線、伊豆稲取付近を走行中、怪しげな側道を発見する。
なんだろな〜と何気なく入ってみると・・・

その奥に進んでゆくと警戒標識がある。
はい!キタコレw。

しかも現在の道の状況は
「土砂崩れ」。
なんて素敵な響きだろう。

「土砂崩れ。」

うはw
これは行くしかないでしょうw
改めて自分の発言を見ると常軌を逸している。冷静に考えると変人の域に達しているような。
まぁいいか・・・、だって変人ですもの!w
廃道に入ってからすぐ民家が立ち並ぶ。
だがそれもなくなると早速、進入を拒むトラロープがもう目の前に見えている。
生活道路としては生きているようだが。
この先は・・・

・・
それにしても、民家の犬が反応して警戒心をあらわにしている。
不可解な侵入者を拒むように吠え立てる。

はいはいごめんさいはやくいきますから〜

それにしても・・・

ん?

あ! ごんちゃんだ!!www
※写真にカーソルをあわせてみましょう。
巨石が道を阻む。明らかに意図的に置かれている。ここから先はデッドロードだ。 すでに藪で先が見えない。


にもかかわらずぐんぐん進んでいくゴンチャン。

ごんちゃんまって〜(´д`|||)

ちょ!ま!ちょ!ま!
危ないってw
道の左は斜面になっており、その下にはすぐ海が控えている。 ごんたは斜面がすきなのだ。
なんだか斜面をギリギリにいきたがる。

いつもギリギ〜リでいきていたいから〜あ〜あ〜


うぉ!アブネ!
足場は腐葉土に近い、所々ごみが散乱しているが足場に困るほどではない。
それにしてものり面が崩壊しているが、コンクリートブロックで流れ出ないように補強されている。
それも補強を施工した時はこの道はすでに廃棄する予定だったのか?。
ブロック塀が車道にはみ出してしまっている。
 
ガードレールがあらわになる。現役時代の遺物。
黄昏のごんちゃん。左は断崖。
下は焼津じゃなく伊豆の海だ。
ゴゴゴ・・・

突拍子もなく現れたトンネルになんの覚悟もしていなかったが・・・
これは驚いた。
扁額には白田隧道と記載されている。しかも右書きで。

昭和3年か、古いな。

これは思わぬ大物に当たったかもしれない。
それにしても、ちょっと行こうと思ったからちゃんとした準備してないよう:;
まるで獣の檻のような大きなフェンスに道を阻まれると思いきや
中途半端に扉が開いている。
これは、 ガチャ!がちゃ!あれ、これ以上あかねェ!

あ!ごんちゃん!Σ(´д`|||)

ゴンチャンはその人間よりも小さな体躯でするりと中に入ってしまった。

お先なの〜♪

ごんちゃん!ちょま!・・チョマ・チョマ・チマ

トンネルの反響音がこだまする。
あ、ごんちゃん俺そっちじゃないようw


反響音がトンネルの閉塞部に反響してこちらへ返ってくるため まるで向こう側から叫んでいるように聞こえる。

ゴンタはトンネルの奥から呼ばれてると思っているんだろうか。
私が入口から呼ぶものだから声と反響音がごちゃごちゃになり、 ゴンタがどっちにいっていいか混乱してあっちいったりこっちいったり・・・w。

映像でおみせ出来ないのが残念だ

扉は立て付けが悪いわけでなく、地面を埋めたごみや腐葉土でびくとも動かなくなっている。 私は仕方無しに、リュックをはずし体を平らにして体を滑り込ませる。 途中ほんの少しだけひっかかる腹のでっぱりに、憤りを感じたのはいうまでもない。
そうだ、向こう側にかすかに光が見えているが、明らかに土砂で埋まり閉塞しかけている。

中に入り歩き出すと早速天衣のコンクリートがはがれ道に散乱している。 だがその規模はたいしたことなさそうなのだが。 天衣を見上げるとコンクリートがはげてところどころ鉄筋を覗かせている。
だが、強度的にはまだいいほうか。
oh!勇ましきゴンチャンw
すでに「速く行くの!」

といいたそうに毅然とした態度でこちらを見据えるゴンタ。

ごんちゃんあぶないよぅ(´д`|||)

ゴンタの丁度頭上からはお日様が覗いている。

あれか、とりあえず・・・
のぼるっきゃない。

だがこの土砂崩れは、トンネルの崩壊?
以前ここに何が起こったのか知らないが、重機とかで壊した跡ではない。 トンネルが重圧に耐え切れず土砂に押しつぶされた感じか?
ちょっとゴンタ〜おまえのぼれんのかよ〜 ゴンタが頑張って登ろうとしているが、足場がゆるいのかなかなか登れない。

半ば諦めてこっちを向くゴンタ・・・

登れないの!いけないの!と言いたげな表情だ。


まぁ、危ないし・・・

改めて土砂を見たが、地盤がゆるく手をつけるとぱらぱらと砂がうえから落ちてくる。
というか本当に危ないなこれ。

よし!ゴンタ君はここでまってて!

とはき捨てると、後ろ目に「いっちゃうの〜!ひとりやなの〜!」と心配そうに見つめる視線を感じるが・・・、
まぁいつものことだ^^;

躊躇せずに足場を吟味し、土砂を踏んで固めながら確実に進んでゆく。

よっと!
最後のいわばを越えると、視界が開け渡る。

ざっぱ〜ん・・・ざざぁ・・・

下は海岸、今たっている場所は・・・ 一言で言うならば崖だ。

ここどこだよ。
普通であれば土砂の向こうに道が続いているはずなのだが。 土砂の向こうに見渡せるものは、 藪に覆われた斜面しかない。

警告に土砂崩れと書いてあったが・・・

その規模たるや、尋常じゃないだろこれ。
そのまま斜面が振ってきたように綺麗すっぽり道を覆ったとでも言うのだろうか。

これ地震の跡かなぁ。
そんな予測が自然と頭に浮かんだ。
辺りを見渡しながら呆然と考えをめぐらせる。

この状況ではとても進めそうもない。ゴンタも待ってることだし。 そうだな、反対側から攻めてみるか。

とりあえず引き返し、地図をながめてみよう。
てなことを考えている間、終始下から寂しげな声が聞こえてくる。

きゅーん・・・きゅーん・・・きゅん!

自分のほうを向いてくれないと時々語気を高めるのが特徴だ。 しかもトンネルで音が反響しているせいかいつもの3倍の威力がでている。

わかったよごんちゃん!おいてきやしねっつーの^^;

ほら、案の定ゴンタのほうを振り向いたとたんにっこりシッポぶんぶんだ。かわいい奴め。

くだりのほうが大変だな、と足場確認した時それは視界に飛び込んできた。 耳の付け根辺りから「サァ」と血が廻る音を聞く。
⇒を見ていただければご理解いただけると思うが、
岩が引っかかってるだけで何時落ちてもおかしくない。
こんな巨石が落ちたらひとたまりもない。

しかも下にいるのは・・・ごんちゃんΣ(´д`|||)

やばぃ凄い心配だ、嫌な汗を感じつつもそそくさを降りる。
危機感を持っているせいか、降りる時間がながぃ。

あわてて飛び降りるように地面に着地すると、
お待ちかねのゴンチャンwww
しっぽぶんぶん、おそいの〜戻るの〜♪とでも言ってるのだろうか

ふぅ・・・
とりあえずひと段落、 さっさとひきあげようか。
踵を返し、車までもどる。

巨大なフェンスから眩いばかりの光が差し込んでいる。

もうすでに11時ごろだろうか、とりあえず腹ごしらえだな。
あの道の崩壊の仕方だと、向こう側はすでに藪のなかだろう。 この藪だらけの道を100m進むのにどれだけ骨がおれることやら。


・・・今日は温泉がさらに気持ちよくいただけそうだ。



糸売